Chic Chicks *Salon de The

Petit Musee

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HOKUEI TEMAMOTO
2

初夏

[作家プロフィール]

「宴」 2000年

婚礼シーズンの5、6月にあちらこちらでおこなわれる「宴」をイメージして書かれたものです。
小鳥のさえずりと人々の歌声が聞こえてきそうな気がしませんか?まるで紙から抜け出して踊りだしそうな楽しい文字ですね。

ここで、作家の「書」についての経歴に触れてみたいと思います。
作家と「書」との出会いは小学校5年生の時だそうです。
青森の酪農家に生まれた作家は、家でとれた牛乳とたまごを毎日校長先生に届けていました。硯に向かう校長先生(青森県東通村立石持小学校 福井校長先生)を見て、習字に興味を持ったのがそのはじまりです。
中学時代には、競書雑誌(通信添削)の一般の部へ投稿をしていたほどの熱の入れようでした。年齢的にはまだ子供の部でしたが、それではすでに物足りなかったようです。
そして高校2年生の時、仙台で有志を募って「麗」という書道研究会を発足しました。そこでは、象形文字から現在の漢字へ成り立つ過程でのその時々の人々の想いを研究する傍ら、子供たちに書道を教えていました。子供たちに「字」というものに興味を持たせることもその研究会の一つの目的であったそうです。
また「北栄書道会」も設立し、「書」に添える「墨絵」を描き始めたのもこの頃でした。
その後、研究会を解散し上京するのですが、引き続き墨での「書」の活動が続き、現在の作家独特の「彩書」の技法に至るまでにはまだしばらくの時を要します。

 


「花と蝶」1997年

淡路花博の国際芸術交流展にも出展された「花と蝶」の初期作品です。
出展作品の方は、中心の触覚のある「花」の両脇にもう一つづつ「花」が書かれて、あたかも蝶々が大きく羽をひろげているようです。
「花」という文字だけで書かれているのに蝶のように見えます。花にとまった蝶が花と一体化してしまったイメージなのでしょうか?

作家よりその淡路花博で開催された個展の報告が届きました。
「個展はとても盛況で、ご来場いただいた方々には厚く御礼を申し上げます。
私は今まで、日本人には「書」は黒(墨色)という固定観念があり、色のついた文字の表現に皆さんが拒否反応を感じるのではないかと思っていましたが、想像以上にあたたかく受け入れてくださり、その上感動して喜んで帰ってくださったのが嬉しかった。
いつもはなかなか時間が作れず、作品だけが会場へ行くことが多かったのですが、今回の参加で直接ご鑑賞者のお声を聞く機会を持つことができてとても良かった。これからの創作活動にさらに意欲がわきました。
また、久しぶりに都会の多忙から逃れて自然の中で花と海を見て来たのですが、その後筆をとってみると、作品が今までのシャープな感じから丸みを帯びたものに変わってきました。」(手間本北栄談)

その変化が現れたという書き下ろし作品です。
今回の国際芸術交流展及び個展の会場となった「夢舞台」がモチーフとなっています。

(23.May.00)

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