Chic Chicks |
仕事で出かけてちょっと寄り道をした時のことを綴ってみました
<トラジメーノ湖(イタリア)>
一年前の夏の夕暮れ、アッシジからフィレンツェへ向かう車窓から眺めた忘れられない光景、ひっそりと静かな湖の向こうへ沈む真っ赤な夕日。 しばらく見とれていました。 降り立ったPassignano sul Trasimenoは改札口も切符売り場もない煉瓦造りの小さな駅。駅員さんの代わりに照りつける暑い日差しとにぎやかなセミの声が出迎えてくれました。 地中海気候特有の花、ピンクの夾竹桃を街路樹とした歩道を少し歩くと湖畔に出ました。 イゾラ・マジョーレに別れを告げて湖畔のホテルに向かいました。町から1kmほど離れているだけあってロケーションは最高でした。ほとんどが長期滞在のヴァカンスで訪れている人々でした。夕風の入るホテルのテラスレストランでいただいたウンブリアの特産物、黒トリュフのパスタで至福の一日を終えました。 翌朝は朝日が昇るころ小鳥たちのさえずりで目が覚めました。早朝の湖が見たくてプライベートビーチへ出てみました。朝焼けが湖面を赤く染めるシーンから始まり、まるで緻密に脚色された映画でも見ているかのように次から次へと新しいシーンが展開されます。 お昼前の列車まで、芝生のパラソルの下デッキチェアに寝そべって本を読むことにしました。朝から途切れることのない小鳥たちとセミの合唱、湖を抜けてそよぐ心地の良い風、強い日差しを受けてキラキラと輝く湖面、、、まるで夢の中かと見まかうような現実。活字を追っている場合じゃありません。列車を一本遅らせることにしてとろとろと微眠みました。ほんのいっときでもこんな贅沢な空間と時間を持てたことに感謝しました。 駅へ向かう途中、その歴史は紀元前エトルリア時代に遡るパッシグナーノの町に入ってみました。傾斜のきつい石畳の坂道がくねくねと小さな丘の上まで続いています。古い石造りの家が両側にそびえ立ち谷間を歩いているようでした。窓の外の洗濯物や八百屋さんの店先がそれらしく絵になる、それがイタリアです。 (Jun.26.'03記)
|
● バックナンバー ● |
---|
中世へのタイムトリップ(シエナ - イタリア)(Jun.18.'01) |
[back to contents] [back to Salon de The]
ご質問・お問い合わせなど、お気軽にChic Chicksまでどうぞ
Chic Chicksのロゴマークは登録商標です。
当社の許可なく転載・複製することはできません。
Copyright©1999-2004 Chic Chicks.All rights reserved.