Chic Chicks *Salon de The

- 小さな旅 -

仕事で出かけてちょっと寄り道をした時のことを綴ってみました

***

中世へのタイムスリップ

シエナ(イタリア)

  

フィレンツェから列車で約2時間弱。
シエナの駅に着きました。

仕事の合間に空いた一日。
朝のまぶしい光の中、たまたまパティオの朝食に居合わせた大阪からの一人旅の女性。これからシエナへと言うので同行させていただきました。
はじめてのフィレンツェ近郊への小旅行。シエナに関する知識もないまま期待で胸は高まります。

列車から降り立ち、バスに乗ってシエナに向かいます。シエナは小高い丘の上に作られた街でした。フィレンツェもそうですが、敵の侵入を防ぐため、街は城壁で囲まれています。丘のほぼ頂上、広場がバスの終点です。年に2回の馬のお祭りの直前とあって街は人であふれていました。
かつてはトスカーナ地方でフィレンツェと肩を並べる大都市だったというシエナ。街の中央に広がるカンポ広場、イタリア・ゴシック代表の一つである豪華なドゥオモがそれを物語っていました。もちろんそれらは見事なものでしたが、私の興味を惹いたのはその古い町並みでした。
フィレンツェよりも入り組んだ細い石畳の路地、まるで迷路のようです。その両側に古い石造りの建物が続きます。暑い日ざしを防ぐのでイタリアの真夏でも歩き回ることができます。
ふと見上げると、石の窓に置かれた銀のコーヒーポット。カフェでしょうか。歴史の重厚さに新しさがバランス良く加わって素敵に窓を演出しています。思わず入ってみたくなってしまいます。
街には小さなお店が並んでいますが、それもまたどこもいい感じなのです。
ショウウィンドウにプロシュートをたくさん吊るしたお肉屋さんは真っ赤なドアにラベンダー。こんなおしゃれなお肉屋さんを見たことがありますか?
シエナ焼きの店先に並ぶイタリアの黄色のお皿は鈍石色の街を明るく彩ります。

街に入ると、壁に掛かる色々な旗に気がつきます。道を隔てて右はかたつむり、左はがちょう。次のブロックはきりんやいもむし?旗だけではなく、表札にそのシンボルが描かれているところもあります。どうやら区画ごとに分かれているようです。
あとで調べるとシエナは小さいながらも17の地区に分かれ、昔はそれぞれが独立していたようです。地区対抗で行われる馬の競走は今も大切に引き継がれ、それが有名なシエナお祭りです。
古い町並みに映えるその可愛い旗は、まるで中世の童話の中にでも迷い込んだような気分になります。旗を探しての散策もきっと楽しいですね。

シエスタに入る中休み、街の中心から少しそれた路地を歩いてみました。こんなに小さな街なのに中心地とはまったく違った様子です。人々が生活をしている感じでした。この時間は家族と家でゆっくり昼食をとり、くつろいでいるのでしょう。猫一匹見かけませんでした。
すると、どこかの窓からピアノの音が、、、。
これもあとから聞いたのですが、シエナには著名な音楽学校があるそうです。
中世の街に流れるピアノは夢心地でした。  

(Jun.18.'01記)

[back to contents] [back to Salon de The]

ご質問・お問い合わせなど、お気軽にChic Chicksまでどうぞ


Chic Chicksのロゴマークは登録商標です。
当社の許可なく転載・複製することはできません。
Copyright©1999-2004Chic Chicks.All rights reserved.