- アート -

街そのものが美術館のようなフィレンツェを歩くのが好きです。
店先に停められた自転車とその配置が絵になっていたり、壁に落ちた影が素敵に見えたりするのはこの街のマジックなのでしょうか。
先人はそこまでも考えてこの街をデザインしたのでしょうか。
訪れるたびにすっかりマジックにかかってしまう私は、少し歩いては感激し、角を曲がっては新しい発見をする、そんな美術鑑賞ウォークに余念がありません。

何気ないものがアーティスティックになってしまう様子をご覧ください。
果物屋さんの前に並ぶ色とりどりのフルーツもまるで色あわせをしたかのようです。

フィレンツェマジックは街中だけにとどまりません。いつも滞在するホテルもまたアーティスティックな空気に包まれています。
かつてはメディチ家の邸宅であったという館で、こじんまりとした居心地の良さが魅力です。
今回は運良く天井にフレスコ画の描かれた部屋に泊まることができました。天使たちに見守られて眠る夜は良い夢が見られそうです。
朝はサンタマリアノッベラ教会の鐘の音で目を覚まします。鎧窓を大きく開け放つと緑に囲まれた小さなパティオが。夏の爽やかな朝、小鳥のさえずりと鐘の音を聞きながらこのパティオでいただく朝食の時間は私にとっての至福の時です。
この街だけの不思議なマジック、あなたも体験してみては？

(Jun.20.'01記)