お花のきれいな季節です。
一歩外へ出ると、ところどころの庭先や窓辺に色とりどりのお花が咲き乱れています。
昨今のガーデニング流行にも、イギリスやフランスで素敵なお庭を見ていて憧れてはいたものの、その他の諸事に追われてなかなか手を出すことができませんでした。そんな私も、遅ればせながらようやくこの頃門をたたきました。
と言ってもそのきっかけは他でもありません。「必要にせまられて」でした。
手入れをしていた母を失った自宅の庭は荒れ放題。ぺんぺん草まで生えてきて、とても人の住む庭とは思えないありさまに、、、。
そこでやむなく雑草取りを。ため息をつきながら庭にしゃがみ込むこと数時間。すると不思議!雑草がなくなると、次は庭の草木・樹木が気になり始め、メンテナンスに力が入ります。更に彩りを添えたくなり、プランターや苗を買い込み、玄関先やベランダまで飾り始める始末。そんな訳で渋々でスタートしたものが、今では毎朝お花の状態をチェックするのが楽しみになってしまいました。
もちろん、わからない事はたくさんあります。そんな時には、このホームページとリンクをしている空中楽園生活のなずなさん、SHOPにプランターを贈ってくれた友人、近所の友人などにアドバイスをもらい、見よう見まねで俄かガーデナー気取りです。
育てている人も、それを見る人も、優しい気持ちになれるガーデニング。
結構なものが流行ったものです。
(May.26.'99)
−俄かガーデナーのガーデンレポート(France)−
庭にはニワ@ ジヴェルニー クロード・モネの庭
このシリーズは、あちらこちらの庭をレポートしたものです。 「庭には俄かガーデナーがいる」を略してタイトルとしました。
パリからセーヌ川をたどること約90kmの小さな村。
以前から憧れていたモネの庭園は、光と色の変化を追求したモネのパレットそのものでした。2階寝室の窓を大きく開くと、そこに広がるのは、四季を通じて花があふれる「ノルマンディー囲いの庭園」。庭師としても名高かったモネが作り上げた見事な作品で、とても西洋的で華やかな庭です。
そして、地下通路でつながっているのが「水の庭園」。こちらは対照的に、自然を生かした池があり、小川があり、小径がある東洋的で落ち着いた庭です。モネは、あの連作「睡蓮」を描くために幾度もここを訪れ、日がな一日時を過ごしていたに違いありません。水という鏡をモチーフに、そこに映る空、雲、光、草木花は常に表情を変化させる。その困難な表現に苦悩しながらも、彼が強く魅せられていった庭が、そのまま静かに残っていました。これはちょっとしたタイムスリップ気分です。
パリからは少し離れているので、その後なかなか足を伸ばせませんが、是非またいつか訪れたいと思っています。そのかわりに、オランジュリー美術館には必ず立ち寄っています。
そこで、「睡蓮」の壁画の前に立っていると、ジヴェルニーの風が枝葉を抜ける音が聞こえ、水面が波打っているように見えてくるのです。
(Jun.10.'99)
−俄かガーデナーのガーデンレポート(England)−
2年前、雑誌のロンドン特集で、ナチュラリストの古典「セルボーンの博物誌」の舞台であるセルボーン村が紹介されていました。
著者のギルバート・ホワイトが綴った200年前の自然がそのまま残っている小さな村ということで、とても興味を持ちました。
ロンドン、ウォータールー駅から列車で約1時間。リス駅で下車してタクシーで5分とありましたが、その日は村で2〜3台しかないタクシーがすべて出払っており、仕方なく片道約10kmの道のりを歩いていくことになりました。
羊の群れる牧草地や麦畑の脇を、汗を拭きながら2時間半程歩き、ようやく辿り着いたセルボーンは、歩いてでも来て良かったと思えるほど、のどかなイギリスの田園風景そのものでした。
もちろん、ギルバート・ホワイトの広大な自然の庭も良かったのですが、それは雑誌に書かれていましたので、ここではその途中で見かけた小さな民家の庭のお話をします。
けっして広いとは言えない庭いっぱいに花、花、花。それが、童話に出てくるような家の前にあるから何とも言えず可愛らしい。そして、勝手口の脇には、ブリキのバケツの寄せ植えが、ブリキのじょうろと一緒に無造作に並んでいました。たまには歩くのもいいかもしれません。こんな素敵な発見がありました。
ブリキのバケツと言えば、ロンドン、ハンプトンコートで行われるフラワーショウの鉢植え部門子供の部でも、全体を空色に、持ち手をショッキングピンクにペイントしたバケツに、パープル・黄色・オレンジの寄せ植えをしていた作品が入賞していました。このアイデアは親子で楽しめそうです。
(Jun.12.'99)
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